強膜バックリング術
強膜バックリング術(網膜復位術)とは
当院では、網膜剥離の手術を日帰りで実施しています。
網膜剥離の治療は[1]強膜側からアプローチする強膜バックリング術 と、[2]硝子体側からアプローチする硝子体手術 があります。
網膜剥離の手術は、網膜にできた孔(裂け目)を塞ぐことが目的となります。
強膜バックリング術は、若年者の網膜剥離や網膜の裂孔が一か所に固まっている場合に採用することが多い術式です。それ以外の後部硝子体剥離を伴ったものや牽引の強い網膜剥離、増殖性硝子体網膜症では網膜硝子体手術を行います。
網膜剥離は、治療が早ければ早いほど視力への影響が少ないので、網膜剥離の手術では特に迅速な対応が必要となります。
強膜バックリング術(網膜復位術)による網膜剥離の治療
網膜裂孔(穴)がある場所の強膜にシリコンの手術材料を縫い付け、内側にへこませることで、網膜裂孔と眼球壁との距離を近づけます。その状態で網膜冷凍凝固術や網膜光凝固術を行い、網膜剥離を復位させます。
強膜バックリング術(網膜復位術)の麻酔について
局所麻酔を行い、痛みが少ない手術を心がけています。
不安や心配の強い患者さまには笑気麻酔や点滴で鎮静剤を使い、リラックスして手術を受けていただけます。
術後の視力予後について
網膜剥離が黄斑部(視力に最も重要な部分)まで及んでいると術後にゆがみなどの症状が残り、完全な視力回復が得られないことがあります。
視力の回復は術後半年頃まで期待できると考えられています。
強膜バックリング術(網膜復位術)前後の注意点
手術当日
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感染防止のためにも、前日に入浴と洗髪をしていただき、体を清潔にしてください。手術当日は入浴出来ません。
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同意書は必要事項を記入し、捺印の上お忘れなくご持参ください。
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香水・整髪料などの揮発性のものの使用は控えてください。
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手術当日のお化粧は控えてください。(ノーメイク)
※メイクをしていると化粧品の微粒子が目に入り、感染症の原因になる場合もあります。 -
ご本人による車等の運転は控えてください。
手術後
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手術後の一定期間、特定の姿勢をしていただく場合がございます。術式や裂孔の位置などによって異なりますので、詳しくは医師よりご説明いたします。
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手術翌日は首から下はご入浴いただけます。また洗顔も水洗いは避け軽くタオルで拭う程度にしてください。
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3日後からは洗顔も可能です。一週間後からは、通常通り洗顔やご入浴が可能となります。
※眼は押さえないようにしてください 。 -
手術後一週間は眼を押したり、こすったりしないでください。傷口が完全にふさがっておらず眼にばい菌が入りやすい状態です。
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眼をあまり酷使することは避けてください。眼の乾きや疲れを感じやすくなる為、テレビや読書も眼が疲れない程度にして下さい 。
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術後に眼圧が上昇する場合があります。そのため、術後に「高地への旅行」「全身麻酔・歯科での吸入麻酔」を予定している場合は、ご相談ください。
強膜バックリング術(網膜復位術)の費用
適応する疾患により費用が異なりますので、詳しくは診察時にお問合せください。
また、強膜バックリング術(網膜復位術)は保険適用ですので各負担額により、費用が異なります。