白内障手術
白内障とは
白内障とは、目の内側の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。
水晶体は外から入ってくる光を集めて網膜に像を結ぶ役割を担っていますが、加齢などにより水晶体の一部が変性し、透明であるべき水晶体が白く濁ることで、光の屈折が妨げられます。そうすると、目がかすむ、ものが見にくい、視力の低下、視界がぼやけるなどの症状が現れます。
正常
透明な水晶体は光を十分に通します。
白内障
水晶体が濁り、光が通りにくくなります。
白内障の症状
以下のような症状はありませんか?
「白内障」と言っても、水晶体の濁り方は一人ひとり違うため、自覚症状はさまざまです。
気になる症状があれば、早めに眼科専門医にご相談ください。
主な症状
●景色やモノがかすんで見える、白く霧がかかったように見える
●視力の低下
●まぶしく感じる
●明るいところで見えにくい
●一時的に近くが見えやすくなる、メガネが合わなくなる
●景色やモノが二重、三重に見える
など
白内障手術のタイミング
基本的には「見えづらさで、困ることが出てきた時」が手術を受けるタイミングです。
水晶体の濁り方、進行具合によっては、自覚症状をそれほと感じていなくても早急に手術をおすすめする場合もあります。
なお、緑内障や他の病気があっても、白内障手術は可能です。
手術を考えるタイミング(例)
●視力が低下して、日常生活や仕事で困っている
●外ではまぶしくて、極端に見えづらい
●視力が0.7以下になって、運転免許の更新が出来ない
当院の白内障手術の特徴
経験豊富な医師・スタッフが対応
豊富な経験と高い技術力を持った医師や医療スタッフが、安心・安全な白内障手術を行っております。
白内障手術が、初めての眼の手術という患者さまも多いと思いますので、事前にしっかりとカウンセリングを行い、患者さまの不安や疑問を解消しながら手術を進めてまいります。
精密な検査で術後の満足度を高める
白内障手術において使用される眼内レンズのタイプや度数は、術前検査によって最適なものを予測し、患者さまと相談の上で決定いたします。
術前検査の精度は、術後の見え方・満足度に影響するため、精度の高い検査機器を備え、専門的な知識を持つ視能訓練士が正確な検査を実施しています。
眼内レンズの種類が豊富
白内障手術で用いられる眼内レンズは、健康保険が適用される「単焦点眼内レンズ」と保険適用外の「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。レンズそれぞれに特徴があり、メリットとデメリットがありますが、当院では患者さまのライフスタイルや希望する視力に合わせて、最適なレンズを一緒に考え、ご提案させていただきます。
安心・安全な手術をサポートする手術設備・機器
より安全・迅速・正確な手術を行い、患者さまの負担を減らすために、当院では、大学病院や総合病院でも使用されている最新の手術機器を導入しています。手術機器の進歩により、一般的な白内障手術はわずか10分程度で終了いたします。
※チン小帯脆弱・水晶体脱臼・小瞳孔眼・網膜硝子体疾患との同時手術など、難症例の場合は手術時間が増えることがあります。
痛み・不安をできる限り軽減
点眼麻酔を行い、痛みが少ない手術を心がけています。
不安や心配の強い患者さまには笑気麻酔や点滴で鎮静剤を使い、リラックスして手術を受けていただけます。
白内障手術の方法
白内障は、濁った水晶体を取り除き、患者さまのライフスタイルに合わせた眼内レンズを挿入することで、良好な視力を取り戻すことができます。
手術中は点眼麻酔を行いますので、目を触られる感覚や少し押されるような感覚、手術中に使用する目薬が少ししみる感覚はありますが、ほとんどの方は痛みを感じません。
1.麻酔・切開
点眼麻酔を行い、まず眼球を切開し、水晶体の前嚢を連続環状嚢切開(CCC)します。
2.濁った水晶体を取り除く
水晶体の核と皮質を超音波で砕き、濁った水晶体を吸引して取り出します。
3.眼内レンズを挿入
濁った水晶体があった場所に、眼内レンズを挿入します。
4.眼内レンズを固定
手術は、10分前後で終了します。
眼内レンズについて
水晶体の代わりに挿入する眼内レンズには、さまざまな種類があります。
当院では患者さまの生活スタイルや術後の見え方、ご予算などに合わせて最適なものをお選びいただけるよう、単焦点眼内レンズ(保険適用)と多焦点眼内レンズ(選定療養・自由診療)をご用意しています。
単焦点眼内レンズとは
●単焦点眼内レンズは全て保険適用になっています。
●遠く・近くのどちらか1つの焦点にのみピントが合うレンズです。
手術前に焦点の距離を1つ選んでいただきます。例えば、手術前に「遠くが見えるようになりたい」と希望して眼内レンズを選んだ場合、術後、遠くは見やすくなりますが、手元にはピントが合いません。
●手術前に選んだ焦点以外の距離をしっかり見るためには、メガネが必要です。
●乱視矯正用の単焦点眼内レンズもあります。
多焦点眼内レンズとは
●いわゆる遠近両用のレンズです。
多焦点眼内レンズは遠方・中間距離・手元のすべてに焦点を合わせられるため、遠くから近くまでメガネやコンタクトレンズなしで、ある程度見ることができます。
●選定療養の多焦点眼内レンズも取り扱っています。
●手術後、メガネ・コンタクトレンズを使用する頻度が少ない。
手術後、できるだけメガネやコンタクトレンズを使用したくない方には、多焦点眼内レンズがおすすめです。
※多焦点眼内レンズを使用している状態でも、状況に応じて眼鏡、コンタクトレンズの装用が必要な場合があります。
●乱視矯正用の多焦点眼内レンズもあります。
選定療養について
多焦点眼内レンズには、選定療養の眼内レンズと自費診療の眼内レンズがあります。
選定療養では、通常の単焦点眼内レンズ(保険適用)の料金と多焦点眼内レンズ代の差額をお支払いいただきます。手術における技術料は健康保険で行うというものです。
手術方法は単焦点眼内レンズとほぼ同様ですので、安全性も違いがありません。
当院にて採用している選定療養の多焦点眼内レンズ
●Pan Optix(パンオプティクス)[3焦点型]
3つの焦点をもつ眼内レンズです。
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遠く・中間(約60cm)・手元(約40cm)の3点で優れた見え方を提供します。
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選定療養対応の多焦点眼内レンズです。
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乱視矯正用レンズもあります。
●Tecnis Synagy(テクニスシナジー)[連続焦点型]
2焦点(遠近)+焦点深度拡張(遠方から中間)を併せ持つ連続焦点型眼内レンズです。
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遠く~手元(約40cm)にかけて広くピントが合います。
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選定療養対応の多焦点眼内レンズです。
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乱視矯正用レンズもあります。
白内障手術の流れ・所要時間
初診時からの一般的な流れは以下の通りです。
患者さまの状況により、変動する場合があります。
1:初診(所要時間:約2.5時間)
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診察:見えにくさの原因が何であるかを調べます。
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検査:瞳孔を開いて眼底検査を行います。
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白内障が原因と判明した場合、手術の要否・時期について患者さまにお話します。
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手術日程のご相談
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既往歴問診
2:術前検査(所要時間:約2時間)
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検査:眼内レンズの度数を決めるための検査を行います。
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眼内レンズの決定をいたします。
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採血検査を行います。
3:術前説明(所要時間:約1時間)
白内障手術の説明や術前・術後の注意事項についてご説明いたします。
4:手術当日(所要時間:約2時間)
手術自体は10分程度で終了します。
スタッフより、手術後の日常生活の注意点、検診や目薬のご説明をいたします。
5:手術後の定期健診(所要時間:毎回約30分)
手術翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後といった定期的な検診が必要です。
ある程度落ち着いて点眼などが終了しても、気になることがありましたら、いつでもご相談ください。
白内障手術の費用
単焦点眼内レンズ(保険適用)の場合
多焦点眼内レンズの場合
選定療養
自由診療
白内障手術後の過ごし方・注意点
●手術直後の症状・違和感
手術直後は、眼が充血することがあります。
また、眼がゴロゴロする、涙がでる、眼がかすむなどの症状が出ることもありますが、これらの症状は数日、または1~2週間で治まります。
●点眼薬
手術後1~3ヶ月は、手術で起きた炎症を抑え、感染を防ぐために、医師の指示通りに点眼薬を使用します。
●眼の使用について
手術の翌日から、疲れない程度に眼を使ってもかまいません。
眼をあまり酷使することは避けてください。眼の乾きや疲れを感じやすくなる為、テレビや読書も眼が疲れない程度にしてください。
●お仕事への復帰について
仕事への復帰は早い時期にできますが、患者さまの全身状態やお仕事の種類などによって違ってくるので、医師にご相談ください。
●眼に刺激を与えない
手術後一週間は眼を押したり、こすったりしないでください。
傷口が完全にふさがっておらず眼にばい菌が入りやすい状態です。
●入浴について
手術翌日は首から下はご入浴いただけます。また洗顔も水洗いは避け軽くタオルで拭う程度にしてください。3日後からは洗顔も可能です。一週間後からは、通常通り洗顔やご入浴が可能となります。