近視の治療・進行抑制
近視の治療・進行抑制とは
当院では、近視の治療・進行抑制としてオルソケラトロジーとマイオピン(アトロピン点眼液)による治療を行っています。
●お子さまの近視の進行が気になる
●メガネやコンタクトレンズなしで生活したい
●裸眼でスポーツを楽しみたい
●手術(レーシック、ICL)以外の近視の治療を知りたい
など、お気軽にご相談ください。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーは、一般的なコンタクトレンズとは異なる「オルソケラトロジーレンズ」という特殊なデザインの高酸素透過性コンタクトレンズを寝ている間に装用することで、角膜の形状を正しく矯正し、日中を裸眼で過ごすことができる近視矯正方法です。
装用前(近視の状態)
近視の状態は、焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。
装用中
レンズを就寝時に装用することで、角膜前面の形状が平坦化し、焦点が網膜上で結ばれて近視が矯正されます。
装用中
レンズによって平坦化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状を保つため、日中は十分な裸眼視力が維持されます。
オルソケラトロジーの特徴
●特殊なレンズを装用し、寝ている間に近視矯正
寝ている間に矯正をするので、最低でも6時間以上の睡眠時間が必要です。
睡眠時間が短いと矯正する力が弱まります。
●近視の進行抑制も期待できる
オルソケラトロジーをすることによって、近視進行抑制効果が得られることが分かってきました。
国内外で研究が進められています。
●日中は裸眼で過ごせる
翌朝レンズをはずした後も、矯正された角膜形状は一定時間保たれるため、日中は裸眼で生活することができます。※オルソケラトロジーを始めてから視力が安定するまでは、他の矯正方法(メガネ、コンタクト)を一時的にご使用いただく場合があります。また、効果の現れ方には個人差があります。
●6歳から適応
●手術をせずに近視矯正
オルソケラトロジーはレーシック手術やICLとは違い、手術をせずに近視を矯正します。
手術に不安がある方も取り組みやすい治療です。レンズの装用を中止すれば角膜を元の状態に戻すことができます。
オルソケラトロジーの対象となる方
オルソケラトロジーの流れ
2. 治療の説明
オルソケラトロジーを正しく理解していただくために、眼の構造や矯正方法などをご説明いたします。
3. 適応検査・診察
オルソケラトロジー適応かどうか、検査・診察いたします。
適応とされた場合は、レンズ規格を決定します。
4.テスト装用
患者さまにトライアルレンズをテスト装用していただきます。
フィッティングと効果の度合いによって、処方レンズを決定します。
テスト装用後、継続希望であれば、レンズ購入となります。
5.レンズ購入
処方レンズをお受け取りになり、レンズの取り扱い説明と装用練習を行います。
問題なく行えるようになりましたら、処方は終了です。その日の夜から、治療開始となります。
6.定期検査
治療開始後、定期検査を行います。
角膜の状態を知り、また、合併症の早期発見のためにも非常に重要ですので、必ず受診してください。
オルソケラトロジーの費用[自費診療]
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費用には、レンズ代金とスターターキット(初回ケア用品やレンズケース)が含まれています。
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2年目以降、定期検査には別途費用がかかります。
1回:5,500円(税込) -
レンズの定期交換時に別途費用がかかります。
レンズ交換:44,000円(税込)/枚
※安全のため約2年で交換を推奨しております。 -
オルソケラトロジーは保険対象外の自由診療のため、治療費用は全額自己負担となります。
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オルソケラトロジーの治療費は、所得税の医療費控除が受けられます。詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。
●レンズ保証
処方交換・破損交換の区分問わず、新規発注日より12ヶ月以内(1枚につき、2回まで可能)
*破損交換の際は、必ずレンズの破片が半分以上あることが条件になります。
*レンズ紛失による保証はありませんので、取扱いには十分ご注意ください。
●お試し装用体験
当院では、お試し装用体験を実施しています。
オルソケラトロジーレンズを一定期間使用して、見え方を体験することができます。
オルソケラトロジーが気になる方は、ぜひ一度ご検討ください。
マイオピン(アトロピン点眼液)
マイオピン(アトロピン点眼液)は、小児期の近視の進行を軽減させることを目的にアトロピンを配合させた点眼薬で、Singapore National Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発された薬です。
※シンガポール国立大学の臨床試験で、アントロピンの近視抑制効果が証明されました。Ophthalmology 2012;119(2):347-54
目やまぶたの症状
●副作用がほぼ皆無の良好な近視抑制薬です。
●近視の進行を平均60%軽減させると言われています。
※近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。
●毎日就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法です。
●日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
●目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。
●近見視力の低下に殆ど影響を与えず、更に累進屈折眼鏡も不要です。
●目薬(1本5㎖)は両眼用で1カ月の使い切りです。
●点眼薬はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
マイオピン(アトロピン点眼液)の対象となる方
●6才以上12才以下の方(=近視の進行が著しい時期)
●中等度(-6D)以下の近視の方
近視抑制のしくみ
マイオピン(アトロピン点眼液)によって、「軸性近視」を抑制します。子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。
近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。
そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
マイオピン(アトロピン点眼液)には眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。
マイオピン(アトロピン点眼液)の安全性
シンガポール国立眼科センター(SNEC)のアトロピンの効能・効果及び安全性の研究(点眼を2年間継続した後によるもの)では以下のように報告されています。
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アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
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眼圧(IOP:Intraocular pressure)に影響を与えないとの報告でした。
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白内障を形成するとの報告はありませんでした。
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点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
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電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
マイオピン(アトロピン点眼液)の費用[自費診療]
近視遺伝子チェック
近視の要因は、遺伝要因、環境要因と考えられています。
「近視遺伝子チェック」を通じて、遺伝的な近視になる可能性を知ることで、眼科医等の専門家への相談や、近視の進行抑制に役立つ生活習慣の改善のきっかけになります。
「近視遺伝子チェック」でわかること
20歳の時点で近視ではない日本人の遺伝リスクと比較した「5段階」の判定結果がわかります。
20歳の時点で近視ではない日本人と同等の遺伝リスクの方は「3」、それよりリスクが高ければ「4」「5」、それより低ければ「2」「1」と判定されます。
(※個々の遺伝子の解析結果は開示していません。)
注意事項
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遺伝子チェックは、遺伝的な体質を判定する検査となります。
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未成年の方は、保護者の方の同意が必要となります。
近視遺伝子チェックの費用[自費診療]
16,500円(税込)